不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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予告広告で「予定」の「価格発表会」を謳えるか?

http://d.hatena.ne.jp/images/diary/f/flats/2008-05-16.jpg

敷地の南に河川を臨む総戸数820戸、3棟からなる大規模マンション。

物件概要
【予告広告】大手町駅26分(途中乗り換え)、駅徒歩16分。総戸数820戸(A棟:222戸、B棟:203戸、C棟:395戸)、17階建(A棟)+14階建て(B棟)+18階建て(C棟)。販売戸数(C棟)未定、2LDK(79.62m2)〜5LDK(131.47m2)。予定販売価格3,100万円台〜7,800万円台。A・B棟:完成済み(平成20年2月5日)、C棟:平成20年7月中旬竣工(本チラシ掲載日の2カ月後)。

  • 4月12日(土)、5月2日(金)の物件と同じ。
  • 第1期 予定 価格発表会
  • 参加希望の方は、マンションミュージアムまでお電話にてご予約ください。定員になり次第受付を終了させていただきますので、予めご了承ください。

このチラシ表現に、問題はないのか?
文字で書くと「第1期」「予定」「価格発表会」が同じ書式になってしまうのだが、実際には、右上の図のように、「価格発表会」の文字がバカでかい(「予定」の文字が小さい)。
予告広告で「価格発表会」を謳うことは、下記のように、消費者の期待感をあおって販売センター等への来場をうながすための“じらし広告”として禁止されている。
本日のチラシでは、「価格発表会」の文字の前に「予定」と冠しているところがズルイ。
なぜズルイかというと、予告広告で「価格発表会」を謳うことは禁じられているのだが、「予定」の「価格発表会」を禁じる具体的な条文がないことを逆手にとっているからだ。
でも、“じらし広告”を禁じている下記の趣旨からいえば、たとえ「価格発表会」の頭に「予定」を付しても認められるべきではないだろう。
※以下は、不動産公正取引協議会連合会 公正競争規約研究会の編著による「不動産広告の実務と規制(9訂版)」221頁から。

【質問】予告広告で価格発表会を開催する旨を表示することの是非

  • 予告広告において、本広告前に販売センター等で価格発表会を開催する旨を表示した場合、何か問題があるのでしょうか。

【回答】結論からいいますと、お尋ねの広告はすることができません。
予告広告は、売り手側の事情で価格を決定しかねている場合でも、物件の内容等についてあらかじめ情報を提供し、一般消費者にゆっくり検討してもらうために、本広告で価格を明示することを前提として認められた広告手法です。
お尋ねの趣旨は、消費者にとって最も重要な情報の一つである価格を示さないまま消費者の期待感をあおって販売センター等への来場をうながすための“じらし広告”をしてもよいかということと同じです。
予告広告の趣旨は、売り手側の事情で価格決定が遅れた場合、発売直前にならないと広告が行われないことが多く、消費者は広告情報に接してから極めて短期間に購入するからどうかの判断をしなければならない状況に置かれることを回避し、消費者に物件選択の時間的余裕を与えるために、価格その他の取引条件以外の物件内容に関する情報を提供できる途を開いたものです。
したがって、お尋ねのような“じらし広告”で集客することは、結果として本広告前に来場した顧客に申込順位を確保するなど事実上の販売行為が行われるおそれがあり、予告広告の趣旨に反するだけでなく、本広告を行わない結果となる蓋然性が極めて高いと考えられます。
予告広告に名を借りた“じらし広告”は、必要な表示事項の規定の特例を定めた予告広告には該当せず、表示規約第8条(必要な表示事項)の規定に違反することになります。

(本日、マンション広告10枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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