不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「消去表示」や「打消し表示」は不当表示だ

河川沿いに建つ大規模マンション。

【第1期予告広告】大手町駅11分(途中快速に乗り換え、さらに地下鉄に乗り換え)、駅徒歩15分。総戸数700戸、17階建。販売戸数100戸、3LDK(70.63m2)〜4LDK+N(138.04m2)。予定販売価格4,100万円台〜12,600万円台、予定最多価格帯4,800万円台。平成21年2月13日竣工(本チラシ掲載日の1年4カ月後)。

  • 7月8日(日) の物件と同じ。

本日の広告に不当表示の懸念カ所が2つ目に付いた。
ひとつ目は、CG合成写真。
新聞全紙大のオモテ面には、河川を挟んで対岸から物件を望むCG合成写真が掲載されている。

  • 平成19年9月撮影の写真に図面を基に描き起こした建物外観完成予想図を合成したもので、実際とは多少異なります。
  • なお、周囲の建物等は省略してあります。

マンションの右側には都市公園の森が広がっているし、左側には地面から直ぐ上が大空とつながっている(建物が消されている)。
でも、しっかりと目を凝らしてみると、マンションの左右には、建物の存在を示す、限りなく細くて視認しにくい白色の輪郭線が描かれている。
首都圏不動産公正取引協議会のホームページの「相談&違反事例集」から消えてしまったQAを再掲しよう。

■QUESTION
新築分譲マンションの広告に、近くの公園から建物を望む写真をCG(コンピュータグラフィックス)で合成し、その際、このマンションと公園の間にある他の建物を消去した合成写真を使用することは可能でしょうか。
なお、「この写真はCGによる合成写真ですので、実際のものとは異なります。」と注記するつもりです。

■ANSWER
ご質問のような合成写真の掲載は、「この写真はCGによる合成写真ですので、実際のものとは異なります。」と注記したとしても、取引対象物件からの眺望等が実際のものよりも著しく優れたものであると誤認される不当な表示に該当します。
一般に、新築分譲マンションはいわゆる青田売りが多いために、建物自体の写真を撮影することができないために、CGによる完成予想図と周りの風景写真を合成すること自体はその旨を明示する場合には許される場合があります。
しかし、お尋ねのように、合成写真から広告主の都合の悪い条件を消去することはウソの写真を使うことに他ならず、著しい不当な表示に該当することになります。
なお、表示規約第15条35号(筆者注:現行では、表示規約施行規則第11条23号)では、「宅地又は建物の見取図、完成図若しくは完成予想図は、その旨を明らかにして用い、当該物件の周囲の状況について表示するときは、現況に反する表示をしないこと。」と規定しています。
また、第18条第1項(筆者注:現行規約では、第23条第1項)においては、第37号(筆者注:現行規約では、第40号)にで「不動産の方位その他立地条件について、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示」、第38号(筆者注:現行規約では、第41号)で「前2号に規定するもののほか、不動産の周辺環境について、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示」を禁止しています。

 
もうひとつの不当表示の懸念は、広告の裏面に海外の有名な地点の景観写真(セントラルパークとアムステルダム)が「イメージフォト」として掲載されていること。

  • 公園と水辺 ―― 世界に通じる街づくりを目指して。
  • 世界の都市は、公園や水辺とともにある。
    • ニューヨークのセントラルパークに寄り添う町並み。アムステルダムの水辺都市。世界の名だたる都市は、つねに公園や水辺とともに、繁栄し、発展してきました。
    • ○○公園の雄大な緑と△△川の穏やかな潤いを享受する。ここは、世界に通じる街づくりにふさわしいロケーション。

これまた、首都圏不動産公正取引協議会のホームページの「相談&違反事例集」から消えてしまったQAを再掲しよう。

■QUESTION
海沿いにある分譲マンションを販売するのですが、セールスポイントは海なので、これを強く訴えるために海外の有名リゾート地の海岸の写真を大きく掲載してもよいでしょうか?

■ANSWER
結論からいいますと、お尋ねの広告は、物件の周囲の環境について、実際のものよりも著しく優良なものであると誤認されるおそれのある不当な表示に該当しますから、実施することはできません。
残念ながら、「イメージ写真」あるいは「実際のものとは多少異なります」等と説明しさえすれば、物件や周囲の環境とは異なる写真や完成予想図を掲載できると勘違いしている宅建業者や広告会社の人がいますが、全くの誤りです。
このような考え方による広告表示は、一般に打ち消し表示といわれていますが、このような表示は不当表示となることが多いと考えられます。
例えば、昔、馬肉の缶詰のレッテルに牛の絵を大きく描き、商品名を「大和煮風」としたり、少しばかり蟹肉や蟹汁を混入した蒲鉾の商品名を「かに風味」とし、包装紙の隅に「かに肉ではありません」との打ち消し表示したものがありましたが、このような表示は消費者に牛肉や蟹肉であると誤認されるとして、不当な表示として取り扱われました。
そこで、表示規約は、環境について現況に反する表示をしてはならないことを、第18条第38号(筆者注:現行規約では、第23条第41号)で禁止しています。

「相談&違反事例集」から消えてしまったQAとはいえ、記載されていた回答(不当表示の指摘)の考え方に修正の必要性はみられないのではないか。
大手デベロッパー2社が係っている本日の物件広告。次回の広告で修正されるか否か、「観測」することとしよう。
それにしても、なぜ「相談&違反事例集(不当表示の禁止)」から上記2つのQAが消えてしまったのでしょうね。

(本日、マンション7枚)

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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