折り上げ天井とは、リビングや玄関などの天井の中央部分を周囲よりも一段高く凹ませた天井様式をいう。
下がり天井とは
リビングや廊下側の洋室の天井壁際部分には、通常、排気ダクトをカムフラージュするための「下がり天井」部分が出てくる。
リビングの天井壁際を梁型のようなかたちで、天井が下がっているとすれば、その張りぼての中には台所の換気扇とバルコニーの排気口とをつなぐダクトが走っている。
また、廊下側の洋室の天井壁際に梁型のような部分があれるとすれば、その張りぼての中には浴室(またはトイレ)の換気扇と廊下側の排気口とをつなぐダクトが走っているということだ。
ダクトをカムフラージュするための梁の型をした張りぼてなのか、実際にコンクリートでできた梁なのかは、叩いてみれば音で判る。
ダクトをカムフラージュするだけであれば、天井の壁際の一部分だけを下がり天井にすれば済む話だ。
折り上げ天井とは
ところが、天井壁際のダクト・カムフラージュの張りぼては、デザイン的には必ずしも美しいとはいえない。
そこで、ダクトのカムフラージュが必要な壁際部分だけでなく、天井の4周とも壁際部分の天井面を下げているのが「折り上げ天井」
天井面をすっきりさせることによって意匠的な美さを演出しようという設計思想に基づいている。
一部の壁際のみを下げた「下がり天井」と壁際の4周とも下げた「折り上げ天井」を比べて、どちらが空間的な拡がりを感じられるか。
「折り上げ天井」は、ある程度の天井高さがないと、壁際4周の下がり天井部分のせいで、かえって狭苦しさを感じるかもしれない。