あるマンション・チラシに掲載されていた予定販売価格。
- C-G type 3LDK 80.12m2 予定販売価格2,800万円台
- D-D type 3LDK 81.70m2 定販売価格3,100万円台〜
- C-D type 3LDK 85.24m2 予定販売価格3,000万円台
3LDK、80m2台にしては、3,000万円前後とかなり安いと思われた方、よく読み返してほしい。
いずれの価格も「予定販売価格」であり、しかも「万円台」となっている。
「台」が付いているから、C-G typeの予定販売価格2,800万円台というのは、最大で2,899万円ということだってあり得るし――。
D-D typeにいたっては、「3,100万円台〜」と「〜」の表示もあるので、3,200万円、3,300万円の可能性も否定できない。
この曖昧な予定販売価格とは、いったい何なのか?
業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」第9条(予告広告における特例)第1項では、「予告広告」の特例として、分譲価格を省略することができことになっている。
さらに、同規約施行規則5条第3項(2)号によって、「予告広告」の場合、価格を「未定」、または「予定最低価格、予定最高価格及び最多価格帯」のどちらかで表示しなければならないことになっている。
冒頭のマンション・チラシは、「未定」表示ではなく、「予定価格」表示が採用されている。
予定価格とは、「台」という曖昧な表現を用いることでで、消費者のフトコロ具合をみながら価格を決定したいというデベロッパーの意図が込めらた価格のこと。
予定販売価格の末尾に「台」とか「〜」が添えられているチラシを見たら、最低価格ではなく、上限価格を覚悟しておいたほうが無難かもしれない。
予告広告における特例
(予告広告における特例)
規約第9条 予告広告にあっては、第8条の規定にかかわらず、規則で定めるところにより、同条に規定する必要な表示事項の一部を省略することができる。
(予告広告に係る必要な表示事項)
規約施行規則第5条 規約第9条(予告広告における特例)第1項に規定する予告広告において省略することができる表示事項は、別表1、別表4、別表6及び別表8中「●」の記号を付した事項とする。
2(省略)
3 規約第9条第4項の規則で定める必要な表示事項は、次に掲げる事項とする。
- (1)予告広告である旨
- (2)価格若しくは賃料(入札・競り売りの方法による場合は、最低売却価格又は最低取引賃料)が未定である旨又は予定最低価格(賃料)、予定最高価格(賃料)及び予定最多価格帯
- (3)(4)(5)(省略)