湾岸エリアに建つ、駅から遠い大規模マンション。
東京駅直通29分、駅徒歩20分。総戸数896戸、14階建。販売戸数未定、3LDK(72.68m2)〜4LDK(95.56m2)。予定販売価格2,500万円台〜5,200万円台、予定最多価格帯2,900万円台。平成20年1月下旬竣工(本チラシ掲載日の9カ月後)。
- 8月27日(日)、9月10日(日)の物件と同じ。
- 駅まで直通約7分
- リムジンバス運行(予定)
デベロッパーも駅からの遠さが本物件のウィークポイントと考えているのだろう。
「物件概要」には次のように注記されている。
- ※リムジンバスは居住者の管理費にて運営致します。
ホームページで確認すると、さらに次のような情報が。
- 住民専用リムジンバスで通勤楽々。〇〇駅は1日46便運行!
- さらに日中は「イトーヨーカドー△△」と「オリンピック△△店」を周るお買い物便も運行します。
- 研修をうけた運転サービス士が2台のバスを安全に運行します。通勤や通学の足としてはもちろん、お買い物の足としてもどんどん使えます。
- 朝夕のラッシュ時だけでなく、夜11時台までの夜便も運行予定です。仕事で遅くなった日にも〇〇駅からエントランスまで直通便でお送りします。
ずいぶん充実したリムジンバスの運行サービスだが、詳細はどうなっているのか。
電話取材してみた。
- 筆者「リムジンバスの運行は、どこかのバス会社に委託しているのですか?」
- 女性販売員「少々お待ちください」
- 筆者「・・・・・・」
- 女性販売員「大新東(だいしんとう)株式会社に委託しています」
大新東株式会社は、1962年にアウトソーシングビジネスの草分けとして、企業や官公庁・自治体が保有する自家用自動車の運行管理を一括して請け負う自家用自動車管理事業を日本で初めて事業化した企業。
- 筆者「リムジンバスの車種はなんでしょうか?」
- 女性販売員「普通のバスです」
- 筆者「『普通のバス』といいますと?」
- 女性販売員「現在、駅から現地までご案内しているのと同じような車種です」
- 筆者「何人乗りですか?」
- 女性販売員「57人乗りです」
- 筆者「リムジンバスの運営費用はどうなっていますか?」
- 女性販売員「管理費に組み込まれています」
- 筆者「いくら組み込まれているのでしょうか?」
- 女性販売員「少々お待ちください」
- 筆者「・・・・・・」
- 女性販売員「月あたり230万円です」
年間で2,760万円!!
- 筆者「リムジンバス運行の契約条件はどうなっていますか?」
- 女性販売員「当初3年間契約となっていて、それ以後は自動更新です」
- 筆者「リムジンバスは『住民専用』となっていますが、知人・友人も乗れますか?」
- 女性販売員「住民の方は、ICカードキーで乗れるようになっています。友人の方には、運転手さんにその旨を言っていただければ乗れます」
月あたり230万円だから、1世帯あたりにすると年間3万円(=230万円×12カ月÷896戸)の負担だ。
たしかに、1世帯年間3万円の負担は、それほど大きくないのかもしれない。
でも、自家用自動車管理事業を主としたアウトソーシングビジネスを展開している委託先が、今後10年、20年、同じ水準のサービスを提供してくれる保証はない。
それよりもなによりも、住民専用リムジンバスで毎朝同じ顔ぶれといのも、気疲れしませんか。
(本日、マンション広告1枚)