敷地のすぐ南側に高速道路のインターチェンジ料金所がある中規模マンション。
大手町駅直通23分(快速利用)、駅徒歩17分。総戸数87戸、11階建。販売戸数5戸、3LDK(71.39m2〜84.91m2)。販売価格2,590万円〜3,460万円。平成19年1月竣工済み(本チラシ掲載日の1カ月前)。
この竣工済みのマンション広告には、2つも“無料”が謳われている。
- ライフプランニング相談会開催 無料/予約制
- 家計の見直し、お子様の教育資金から老後のことまで、あなたの気になるライフプランについてプロがアドバイスします。
ライフプランのアドバイザーの費用を負担しているのは、誰か?
アドバイザーが新規顧客をつかむために“無料”奉仕している可能性がゼロではないが――。
一般的には、デベロッパーがアドバイザーの費用負担をしていて、その費用は回りまわって、マンションの分譲価格で回収される(=マンション購入者が負担している)ことになる。
二つ目の“無料”
- 敷地内駐車場 無料
- 全邸分の台数を確保
駐車場“無料”の販促ワザについては、当ブログで、これまでも何度か解説してきた。
本日は、“無料”の中身について、もう少し具体的にみてみよう。
本広告の物件概要には、次のように記されている。
- 敷地内駐車場/87台(機械式50台、平置式30台、専用駐車場7台)(月額使用料/無料)他来客用駐車場1台、洗車スペース1台
- ※敷地内駐車場87台中63台がRV車対応です。
このように、駐車場87台のうち50台が維持管理費の掛かる機械式であるにも係らす「月額使用料/無料」となっている。
「集合住宅における駐車場増設の進め方(財団法人駐車場整備機構 2002年)」によれば、
駐車場の維持管理費の目安は、次のようになっている。
- 平面自走式:月あたり維持管理費(1,000円/台以内)
- 機械式(2段・多段):月あたり維持管理費(2,000円/台〜4,000円/台)
この駐車場整備機構の維持管理費データを本物件の駐車台数に当てはめると――。
50台×(2,000円/台〜4,000円/台)+37台×(0円/台〜1,000円/台)=100,000円〜237,000円
ということで、87台分の駐車場維持費は、月あたり100,000円〜237,000円、年間にすると1,200,00円〜2,844,000円に達する。
つまり、広告で駐車場“無料”の販促ワザが使われたことで、駐車場の維持管理のために毎年、年間100万円〜300万円程度、管理費が食われることになるのだ。
デベロッパーが売り逃げしたあとに開催される第1回目のマンション管理組合の総会の議題のひとつは、「駐車場使用料の有料化について」ということにならなければいいのだが・・・・・・。
(本日、マンション広告9枚)