不動産業界の自主規制団体である首都圏不動産公正取引協議会が、「新築分譲マンションのモデルルーム実態調査報告」を11月14日付けでホームページに公表している。
モデルルームにおいて、価格に含まれない備品・設備など、いわゆる「オプション」の表示が適正になされているかのどうかの実態調査。
2006年2月〜3月と7月〜8月、東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県にある新築分譲マンションから任意に抽出された62件が調査対象。
調査結果によると、全62件のうち、オプションが全く設置されていなかった現物(棟内)モデルルーム2件を除く60件で、オプション自体にその旨のシールが貼付されていたのは50件(83.3%)だったという。
同協議会は、10件のモデルルームでは、オプション・シールの貼付はなかったものの、係員がオプションの有無を口頭で説明していることから、規約違反は認められなかったと結論付けている。
ただ、オプション・シールのサイズや貼る位置など、いくつかの改善点を次のように指摘している。
オプションである旨のシールが貼付されていたものであっても、その大きさが小さいもの、色が目立たないもの、オプションである旨が分かりにくい「OP」等の略語やくずし字等の表現を用いていたもの、分かりにくい位置に貼っているものなど明瞭性を欠くものも多く見受けられた。
このため、オプションのうち、少なくともビルトインされた家具・家電・設備機器、エアコン、居室の照明等、価格に含まれると誤認されるおそれの高いオプションについては、見やすい大きさ、見やすい色合い、見やすい位置、分かりやすい用語で価格に含まれない旨を明示したシール等を貼付すべきであり、また、そのシールを貼付することなく、口頭による説明だけでは、説明を怠ることや、来場者が多い場合係員が顧客にマンツーマンで説明できないことも懸念される。
(中略)
以上のことから、当協議会としては、新築分譲マンションを販売する事業者らに対し、オプションにつては価格に含まれない旨を明示したシール等の貼付を徹底する必要があることなど、不当表示の未然防止を図る観点からの対応を周知することとしたい。
オプション・シールの貼付を徹底させようという協議会の姿勢は歓迎すべきものだ。
ただ、食器洗乾燥機や食器棚といったモデルルームのオプション表示の問題に取り組むだけでなく――。
モデルルーム自体が、間仕切り変更も含めて、実際の住戸とは似ても似つかないという問題の解決にも取り組んでほしいところだ。