不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「新発売」と「新発表」の違い

20階建てが3棟と15階建てが1棟の全619戸からなる大規模マンション。

物件概要

大手町駅直通17分(快速利用)、駅徒歩16分。総戸数619戸、20階×3棟+15階×1棟。平成18年3月16日竣工済み(本チラシ掲載日の9カ月前)。
【最終期予告広告概要】販売戸数25戸、3LDK(66.86m2)〜4LDK(90.14m2)。予定販売価格2,898万円〜5,018万円。
【先着順優先分譲概要】販売戸数9戸、3LDK(70.28m2〜76.72m2)。予定販売価格3,098万円〜3,998万円。

  • 2月25日(金)、4月1日(金)、8月12日(金)、9月9日(金)、3月20日(月)、8月11日(金)、10月7日(土)、12月1日(金) の物件と同じ。

竣工して9カ月経つが、まだ5%(=(25戸+9戸)÷619戸)が売れ残っている。
あと3カ月で竣工1年が経過する。そうなると「新築マンション」という表現は使えなくなる。

  • 最終期・新発表
  • 今週 土日 先着順申込受付!!

先着順住戸と予告住戸の混在チラシは新たな販促ワザ」については、すでに12月1日のブログに記したので、本日は「新発売」と「新発表」の違いについて考察しよう。
まずは、業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約」の確認から。

第18条(特定用語の使用基準)
事業者は、次に掲げる用語を用いて表示するときは、それぞれ当該各号に定める意義に即して使用しなければならない。

  • (1) 省略
  • (2) 新発売
    • 新たに造成された宅地又は新築の住宅(造成工事又は建築工事完了前のものを含む。)について、一般消費者に対し、初めて購入の申込みの勧誘を行うこと(一団の宅地又は建物を数期に区分して販売する場合は、期ごとの勧誘)をいい、その申込みを受けるに際して一定の期間を設ける場合においては、その期間内における勧誘をいう。
  • (3)〜(6) 省略

上記(2)は、「新発売」という表現を広告で使用できる場合の説明なのだが、とても分かりにくい文章だ。
ようするに、期分けごとに、初めて販売対象とする住戸に対して期間を設けて受け付ける広告では、「新発売」という表現を用いることが許されているということ。
まだ分かりにくい?
例えば、7月1日に予告広告、9月1日から週2回本広告を打ち、12月1日から12月14日までを登録期間として販売した場合には、12月14日付けの本広告までは、「新発売」と表示することが許されている。
ところが、売れ残った場合には、12月15日以降の広告では「新発売」と表示することが出来ないというのがルール。
本日の広告は、最終期の予告住戸と先着順優先住戸とが混在しているので、「新発売」を使えるか否かの判断がややっこしいのだが――。
「新発売」の表現が使えるとすれば、「最終期予告広告」の住戸25戸が対象。
でも、すでに10月7日の「最終期予告広告」の段階で、25戸に対して、販売予定時期は11月中旬である旨が明記されている。
ということは、本日の広告で予定販売とされている25戸の住戸は、11月中旬の時点ですでに受付登録期間が終了しているはずなのだが。
本日の広告では、25戸の販売予定時期を訂正もなしに「12月中旬」と書き変えているのがそもそもルール違反の疑いがある。
いずれにせよ、「不動産の表示に関する公正競争規約」第18条の特定用語で規制されていないからといって、広告のオモテ面に「新発売」ではなく「新発表」という紛らわし表現を使っているのは消費者誤認誘発ではないだろうか・・・・・・。

(本日、マンション広告4枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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