不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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定借マンションのメリット・デメリット

敷地のすぐ南を首都高が走っている大規模マンション。

東京駅直通16分(快速利用)、駅徒歩20分。総戸数225戸、14階建。販売戸数未定、3LDK(72.14m2)〜4LDK(101.66m2)。予定販売価格2,500万円台〜4,900万円台(※建物価格、前払賃料、解体準備金、消費税相当額を含む)、最多価格帯3,200万円台。平成20年3月中旬竣工(本チラシ掲載日の1年4カ月後)。

  • 10月15日(日)の物件と同じ。



チラシには定借マンションの良さが謳われている。

  • 夢を可能にする、定期借地権(地上権・50年)付マンション。
    • 50年間の定期借地権(地上権)付マンションというスタイルを採用。
    • 土地を所有する価値より、利用できる価値を重視することで、より広く、よりグレードの高い住まいを手に入れることが可能になります。
    • ゆとりの人生を大切にする方々に受け入れられ、今、多くの注目を集めています。

3LDK(72.14m2)〜4LDK(101.66m2)で予定販売価格2,500万円台〜4,900万円台(建物価格、前払賃料、解体準備金、消費税相当額を含む)というから、たしかに安め。
一般に、定期借地権付きマンション(定借マンション)の価格は、通常の分譲マンションに比べて、2、3割安いといわれている。
ここで、定借マンションのメリットとデメリットを整理しておこう。


定借マンションのメリット

定借マンションの最大のメリットは、分譲価格が安いこと。
あるいは、同じ金額であれば、通常の分譲マンションより、専有面積の広い住戸を手に入れることができると言い換えてもいいだろう。


定借マンションのデメリット

定借マンションの分譲価格は、たしかに安い。
土地に係る固定資産税を負担する必要がないが、毎月、地代を負担する必要がある。しかも50年間。
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「平成16年度 定期借地権付供給実績調査 国土交通省」より作成


月々の地代負担が1.4万円(「平成16年度 定期借地権付供給実績調査 国土交通省」による月額地代の平均値)とすると――。
50年間で840万円(=1.4万円×12カ月×50年)となるから、所有権付きマンションと比べて、必ずしも安いとはいえないかもしれない。
それはさておき、定借マンションの最大のデメリットは、借地期限が迫るにつれ、十分なメンテナンスが行われなくなる懸念があること。
一般の分譲マンションでも、老朽化が進み、建替え計画が浮上するにつれ、メンテナンスに力が注がれなくなる状況は同様だが、定借マンションの場合には、メンテナンスに金を掛けなくなる状況が期限付きで確実にやってくる。


2つ目のデメリットは、残存期間が短くなるにつれ、売却が困難になってくる点だ。
もともと50年の定借マンションを選択する人は、永住するつもりで選ぶ人が大半だろう。
でも、何らかの理由で、住み続けられなくなった場合には、転売が難しいことを考慮しておく必要がある。
3つ目のデメリットは、定借マンションは、スクラップ・アンド・ビルドを助長している点。
個人的な損得は別として、環境負荷を減らすべく、建築物の耐用年数を現在の3倍ないし100年を目指そうとしている日本建築学会の方向性に反している(「気候温暖化への建築分野での対応」日本建築学会会長 声明文1997年12月2日)。


定借マンションは、1991年の借地借家法の誕生(旧借地法と旧借家法が一本化された)とともに創設された仕組みで、まだその歴史は浅い。
定借マンションのメリットとデメリットを列挙したが、実際の評価はこれからだ。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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