不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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広告に掲載されている間取り図への不満は?

昨日の記事「間取り図の掲載ルールをもっと厳格に規定すべし!」で、見栄えのする南東角住戸と専用庭付き1階住戸の間取り図だけを掲載し、客寄せするのは”販促ワザ”ではないかと指摘した。
これまで、1300枚を超えるマンション・チラシの「観測」によって、間取り図に関して、いくつもの“販促ワザ”を「発見」してきた。
以下に主な4つの販促ワザを紹介しよう。

南向き以外のリビングでも下側に描く販促ワザ

北向きや西向きのリビングであっても、下側に描くことによって、あたかも日照環境に恵まれた南向きであるかのように誤認させる効果がある。

見栄えのする角住戸ばかりを掲載させる販促ワザ

角住戸(=妻側住戸)は、3面が窓に面しているため、中住戸と比べて、開放的なプランニングが可能。
一般的に、中住戸と比べて、人気も高いが価格も高い。
でも、ペンシル型マンションを除けば、マンションの総戸数に占める角住戸の割合は高くない。
マンション全体の住戸タイプを代表していない、角住戸ばかりを広告に掲載するのは、客寄せ狙いの販促ワザだ。

切りの悪い縮尺率で、間取り図から寸法を測らせない販促ワザ

廊下の幅や台所の寸法を測ろうとすると困難を極める。
縮尺目盛りの入った間取り図は皆無だし、多くの間取り図が切りの悪い縮尺率を採用しているからだ。
一般的に建築の平面図は、1/100や1/50といった切りのいい縮尺が採用されている(当然だ)。
でも、マンション広告に掲載されている間取り図は、1/120とか1/80といった、とても理解に苦しむ縮尺率が採用されている。
間取り図からは寸法を測らせないぞ、という売り主側の悪意さえ感じてしまうのは筆者だけだろうか。

ローマ字表記で高級感をかもし出そうとする販促ワザ

Bed Room 6.5Jといったローマ字表記。
和室6.5畳と表現すればすむのに、わざわざローマ字で表現するのは何ゆえか?
ローマ字は、漢字かな混じり表現よりも、カッコウよくみえるとでもいうのか・・・・・・。
高級感などの視覚的効果を生み出すためにローマ字表記を採用しているのかもしれないが、ここは情報をしっかり伝えるために、日本語で表現してもらいたいものだ。
6.5J(=6.5畳)などといった表現は、いただけない。


業界の自主ルール「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」では、「建物の間取りについて、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのある表示」を漠然と禁止しているだけだから、世の中のマンション広告に掲載されている間取り図は、いつまでたっても販促ワザのオンパレードだ。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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