日曜日、マンション広告2枚。
東京駅直通10分、駅徒歩17分。総戸数635戸、20階建。販売戸数未定、3LDK(72.08m2)〜4LDK(103.69m2)。予定販売価格3,100万円台〜5,800万円台、最多価格帯3,900万円台。平成19年12月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年6カ月後)。
「23区最大級」の大規模再開発エリアに建つ、大規模マンション。
本日の新聞全紙大の広告のオモテ面一杯に、「世界的アーティスト」ケン・ドーン氏によりトロピカルな色調でマンションの外観イラストが描かれている。
- 掲載のイラストは本プロジェクトをイメージしてケン・ドーン氏が描いたものであり、実際とは異なります。
そこまで断らなくても、幼稚園児が描いたような絵を見て、実際の物件と見間違う人は皆無だろう。
ただ、世界的なアーティストが描いたイラストがいかに素晴らしいものだとしても、本物件の建物性能とは、まったく無関係であることを常に意識しておく必要がある。
有名人を起用した広告は、売り主側にとってはアイキャッチとしての効果はあるが、マンション購入者にしてみれば、余計な販促費(=分譲価格に上乗せされている)に過ぎない。
世界的なアーティストが描いたイラストに見とれているよりも―。
本日の広告で確認しておくべきは、名刺サイズほどのスペースに、緑色で記載されている「東京都マンション環境性能表示」の内容だ。
平成17年10月から、延床面積10.000m2を超える分譲マンションの広告には「マンション環境性能表示」が義務付けられている。
本物件の評価(3段階)は次のとおりだ。
- 建物の断熱性 ☆☆
- 設備の省エネ性 ☆☆
- 建物の長寿命化 ☆☆
- みどり ☆☆☆
「マンション環境性能表示」が義務付けられているとはいえ、☆だけ表示されていても
それが具体的にどういう意味を持っているのか、「東京都マンション環境性能表示」制度をひもとかなければ知ることはできない。
とても不親切な広告だ。
ひとつ星は、建物に関する法令等が求める環境配慮の水準。
二つ星は、ひとつ星よりも環境配慮が上回る水準。
つまり、二つ星の意味は、最低限の法令をクリアしているひとつ星は上回るものの、三ツ星(=環境配慮が最も優れた水準)には達していないということ。
この説明では、まだ分かりにくいだろうから、「建物の断熱性」を例にもう少し解説すると―。
「建物の断熱性能」の星の数は、品格法の省エネルギー対策等級と関連している。
具体的には次のとおりだ。
- ☆:等級2(=旧省エネ基準/昭和55年制定)
- ☆☆:等級3(=新省エネ基準/平成4年制定)
- ☆☆☆:等級4(=次世代省エネ基準/平成11年制定)
本物件は、☆☆だから、断熱性能は、新省エネ基準レベル。
新省エネ基準と頭に「新」の文字は付いているものの、次世代省エネ基準と比べると、20%も省エネ性が劣後している。
7年も前(平成11年)に制定されている次世代省エネ基準を設計に取り入れていないなんて・・・・・・。
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