不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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屋内サイクルポート 全戸分 無料?

公庫マンション維持管理基準


金曜日、マンション広告9枚。

大手町駅直通29分、駅徒歩15分。総戸数61戸、13階建。販売戸数10戸、3LDK(70.25m2)〜4LDK(80.08m2)。販売価格3,158万円〜3,988万円。平成19年3月竣工(本チラシ掲載日の9カ月後)。

準工業地域に建つ、総戸数61戸・13階建ての中規模マンション。

  • 毎日が安心に包まれ、日々経済的であること。それは次世代へ継ぐ新たな基準です。

「経済的」な証として、Image Photo・参考写真とともに、次のようなキャッチコピーが並んでいる。

  • 月々1,890円
    • 手軽にインターネット使い放題!
  • 月々500円〜
    • ハイルーフ対応 駐車場100%
  • 屋内サイクルポート 全戸分 無料
    • 自転車なら3台、スクーターも置ける

■まず、駐車場「月々500円〜」を考察してみよう。
広告のオモテ面には、別の表現で、しかももっと大きな文字で次のようにも書かれている。

  • ハイルーフ対応・平置き中心
    • 駐車場100%!
    • 月額使用料500円〜4,500円

さて、ここで冷静にゴマ粒大の極小文字で書かれた「物件概要」で確認してみると―。
駐車場は「敷地内に61台」と、たしかに総戸数分ある。
でも、61台の内訳をみると、「地上3段横行昇降式駐車場26台、平置駐車場33台、来客用平置駐車場1台、身障者優先平置駐車場1台」となっている。
つまり、地上3段横行昇降式(=維持管理費のかかる機械式)26台と平置駐車場35台(=一般33+来客1+身障者1)だから、「平置き中心」という広告表現は、誇大ではないだろうか・・・・・・。
■次に「屋内サイクルポート 全戸分 無料」について
「無料」は、一見結構なことのように思えるが―。
たとえば、手すりや枠などの鉄製部分については、近い将来、再塗装することになるだろうから、そのための修繕費用が必要となる。
「屋内サイクルポート 全戸分 無料」を謳っていても、結局は、修繕積立金を取り崩すことになるから、このキャッチコピーは、小手先の販促ワザといえよう。
ちなみに、本物件の修繕積立金は、「物件概要」によれば、月額4,500円〜5,130円となっている。
公庫マンション維持管理基準の第8条(修繕積立金)によれば、経過年数に応じた修繕積立金の1戸あたりの平均月額は、次のようになっている(専有面積55m2以上の場合)。

  • 5年未満:6,000円/戸以上
  • 5〜10未満:7,000円/戸以上
  • 10〜17未満:9,000円/戸以上
  • 17年以上:10,000円/戸以上

ということだから、本物件の修繕積立金「月額4,500円〜5,130円」の設定は、安目の設定だ。
修繕積立金を安く設定することは、販促効果はあっても、あとで困るのはマンション購入者自身だ。要注意!


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