不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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住宅の安全を確保するための都の緊急提言は―

東京都の住宅政策審議会(会長:小林重敬横浜国立大学大学院工学研究院教授)は6月2日、「東京における新たな住宅政策の展開について」答申をまとめた。
構造計算書偽装問題を契機として、住宅の安全性に対する都民の不安の解消を図るために、次の3つの緊急提言を行っている。

  • 緊急提言1 住宅の品質性能と生産履歴等の情報開示の促進
  • 緊急提言2 消費者に対する相談・助言等の支援の充実
  • 緊急提言3 既存マンションの耐震診断・耐震改修の促進等

本日は、緊急提言1の内容を以下に紹介しよう。

■生産履歴情報の開示のための仕組みづくり
住宅の生産の過程を透明にするため、設計、施工、工事監理、検査等を、誰がどのように行ったかについて、購入希望者等が確認できる仕組みを構築すべきである。
仕組みの構築に当たっては、住宅の売主・請負者において、下請け業者や再委託先も含め、住宅の生産過程に関与した事業者・検査機関等の一覧を作成し、購入希望者等に提示すること、また、購入希望者等からの求めに応じて、事業者等に関するさらに詳しい情報(業務実績、組織体制、出資状況等)及び住宅の品質確保にかかわる図書等(設計図面、構造計算書、竣工図面、現場記録写真等)を開示・提供すること等を検討すべきである。

■保証・保険や性能評価に関する広告表示等
国において、故意・重過失に起因する瑕疵を含め、瑕疵担保責任履行の実効を確保するための具体的な仕組みについての検討が進められている。
都においては、その動向を踏まえつつ、瑕疵担保責任の履行を確実にするための保証・保険制度や住宅性能表示制度の普及を促進するため、個々の新築住宅の取引に際して、売主等において、保証・保険制度への加入の有無や住宅性能評価の取得の有無について広告表示や説明を行うことを、関係業界等に求めていくべきである。
この場合、保証・保険や性能評価を受けていなければ、それが消費者に分かるように、受けていないことを明示・説明させることが重要である。

■工事現場の公開の促進
手抜きやずさんな工事を防止するためには、施工の透明性を確保することが重要であり、住宅の生産及び販売に携わる事業者において、安全確保に十分配慮しながら、住宅購入希望者等への工事現場の公開を積極的に行うべきである。

■生産履歴情報の確実な引継ぎ
設計図書等の生産履歴情報は、修繕やリフォーム工事を行おうとする際や、中古住宅として売却しようとする際にも必要となるものであり、住宅の引渡しに合わせて、売主等から購入者等に確実に引き継がれなければならない。
マンションの場合は、法律により設計図書の管理組合への引継ぎが定められているが、戸建住宅も含め、全ての住宅について、購入者等に引き継ぐべき生産履歴情報の範囲を明確化した上で、引継ぎが確実に行われるための措置を講ずるべきである。

さて、この緊急提言。どのていど実現するのか―。
世論の高まり次第だ!


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