不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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「駅前最高峰を誇る」超高層マンションの天井高が「3.60m」って?


金曜日、マンション広告10枚。

秋葉原駅直通17分、駅徒歩2分。総戸数163戸(事業協力者住戸43戸を含む)、24階建。販売戸数24戸、1LDK+2S(67.01m2)〜4LDK(84.16 m2)。販売価格未定。平成19年5月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年1カ月後)。

駅前に建つ24階建て超高層マンション

  • 駅前最高峰を誇る プレミアムスイート。

最近ではまったく珍しくもない24階建てで、「駅前最高峰」を誇る根拠は何か?
広告の一番下に、ゴマ粒大の文字で次のような注釈がある。

  • エリア(〇〇区・△△区)内で最高層のタワーマンションです。(過去20年間のデータを基にしています。平成17年10月、MRC調べ)

なるほど、「エリア(〇〇区・△△区)」を限定することで、「最高峰」を誇ろう、というデベロッパーの地域限定作戦か―。
はたして、この地域限定作戦に問題はないのか?
(社)首都圏不動産公正取引協議会のホームページに掲載されている「特定用語の使用基準」のQAは、次のとおりだ。

  • ■Q■
    • 「○○マンション No.1の資質※」と記載し、「※当マンションは、過去10年間、△△エリアで、A駅から徒歩10分以内・総戸数100戸以上・全戸75m2以上・南向き・自走式駐車場全戸分設置という条件をすべて充たす唯一のマンションです。」と根拠を明示すれば、「No.1」と表示しても問題はありませんか。
  • ■A■
    • 「No.1」との表示は、表示規約第18条第2項第2号の特定用語に該当しますが、表示の条件は、当該マンションのみがすべての条件に該当するように恣意的に選んで設定したものと考えられ、このような条件下による根拠は、同項に規定する「当該表示の内容を裏付ける合理的な根拠」とはいえないため、表示することはできません。

表示規約第18条第2項第2号の特定用語というのは、「日本一」「日本初」「業界一」「超」「当社だけ」「他に類を見ない」「抜群」といって、他の物件よりも優位に立つことを意味する用語のこと。
本日の広告で使われている「最高峰」という表現は、どちらかといえば、表示規約第18条第2項の特定用語ではなく、第4号の特定用語にあたる。
第4号の特定用語とは、「最高」「最高級」「極」「特級」など、最上級を意味する用語のこと。
第2号であれ第4号であれ、本物件が最高峰であることを謳うために「当該マンションのみがすべての条件に該当するように恣意的に選んで設定した」感は否めない。

    • -

本物件のキャッチコピーでもう一つ引っかかるのは次の表現。

  • 広さだけでなく、天井高にも気を配りました。約3.6mの高さを確保したプランでは、伸びやかに広がっていく開放感を堪能していただけます。

え〜、天井高が3.6mもあるのか、すごい!
と思って、よく調べていくと―。

  • 23・24階フロア LD&主寝室 天井高約3.60m

これだけのチラシ情報では、天井高3.6mの内容がまだよく分からない。
本物件のホームページをみて、ようやく分かったことは―。
最上層の2フロアのみ約1.5層分の高さを確保し、リビング・ダイニングの天井高を3.6mとしている事実。
なんだ、最上階の住戸のリビング・ダイニングだけが天井高が3.6mということか。
「駅前最高峰」だとか「天井高約3.60m」だとか、消費者に誤認させやすい、ずいぶん紛らわし表現ですな。



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