不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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空地率は、たしかに高いのだが―


金曜日、マンション広告6枚。

東京駅11分(途中快速乗り換え)、駅徒歩12分。総戸数52戸、14階建。販売戸数10戸、3LDK(66.01m2〜70.42m2)。販売価格2,950万円〜3,610万円、最多価格帯3,000万円台。平成19年2月中旬竣工(本チラシ掲載日の11カ月後)。

幹線道路の交差点近くに建つ、大手のハウスメーカーが売り主となっている14階建ての中規模マンション。

  • 約68%の空地率がもたらす開放感あふれるコミュニティスペース

「物件概要」で確認すると、敷地面積が1,242.67m2、建築面積が390.52m2。
390.52m2(建築面積)÷1,242.67m2(敷地面積)=0.314(建ぺい率)⇒31.4% だから―。
キャッチコピーの空地率約68%(=100%−31.4%)に偽りはない。
本物件の敷地は、準工業地域で建ぺい率が60%まで認められている。
逆にいえば「空地率」を最低40%(=100%−60%)確保すればいいことになっている。
なのに、なぜ、ハウスメーカーは気前よく28%(=68%−40%)も余分に「開放感あふれる」空間を残しているのか?
広告に掲載されている全体配置図をよくみれば分かる。
敷地の南側にデベソのように、使い勝手の悪い土地がぶら下がっていることに、どうも原因がありそうだ。
どうしてそのような土地を購入したのかは不明だが、植栽スペースくらいにしか使えない(建物を建てられない)デベソ付きの土地があるから、結果的に「空地率」が高くなっているということ。


ところで、本物件は住棟全体が西方向に向いている(全ての住戸のリビングが西面している)。
デベソ付きの敷地に、32台の駐車場(平面3台、残りは機械式)を確保した結果、住棟配置を南に向けることができなかったのかもしれない。
それにしても、すべての住戸のリビングが日照環境に恵まれない西向きという物件を組成した大手ハウスメーカーの企業姿勢はいかがなものだろうか。
買う人がいるから作るのだ、という声が聞こえてきそうだが―。
西向き住戸の、夏の西日は最悪だ。
東向き住戸と違って、西日が当たる午後は気温のピークと重なるうえに、太陽高度が低くなるからリビングへ直射も入る。だからとっても暑くなるのだ。


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