不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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業界が決めた規約を守れない(知らない?)デベロッパーって・・・


土曜日、マンション・チラシ3枚。

大手町駅直通16分、駅徒歩10分。総戸数37戸、15階建。販売戸数26戸、2LDK(52.67m2)〜4LDK(86.24m2)。販売価格2,550万円〜4,460万円、最多価格帯3,800万円台。平成19年2月上旬竣工(本チラシ掲載日の1年3カ月後)。

幹線道路沿いに建つ、「全戸角住戸」が売りのペンシル型小規模マンション。
小さな文字で書かれた「物件概要」に目を凝らすと、駅までの徒歩時間が「約10分」と記載されていることに気がついた。
「約」という、曖昧な形容詞がいかにも怪しいので、念のために「不動産の表示に関する公正競争規約」で確認した。

第11条(物件の内容・取引条件等に係る表示基準)第10号(各種施設までの距離又は所要時間)

  • 徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること。

上記の規定に従えば、分速80mで計算した結果は、切り上げしなければならないことになっている。
だから、本物件の駅徒歩時間は、「約10分」ではなく、「10分」または「11分」とすべきだ。

  • ○○(=物件のシリーズ名)は、インターネットでもご覧になれます。

念のために、インターネットで詳細情報を確認しようとしたところ―。
な、なんと、ホームページには、物件名称と外観CG、それに資料請求のための申し込み画面しか用意されていない!
これまた、「不動産の表示に関する公正競争規約」に抵触している。
同規約施行細則の別表8を見れば明らかなのだが、インターネットといえども、販売戸数や階数・専有面積などを表示することが義務付けられているのだ。
業界が決めた規約を守れない(知らない?)デベロッパーって、いったい・・・・・・。
現在の「不動産の表示に関する公正競争規約」は、さらに改正され、来年の1月4日から施行されることになっている。
デベロッパーの販促担当者は、もう少し勉強されてはいかがだろうか。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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