かつてオイルショックの際に、街のネオンが消え、テレビの深夜放送が自粛されたことがあった。
現在でも省エネ・省資源は重要な社会テーマのひとつであるはずなのだが、街のネオンは煌々と輝き、24時間放送は当たり前となっている。
新聞でさえ、省資源を唱えながら、一方では大企業のイメージ広告を掲載するためにパルプ(森林資源)を余分に消費している。この自己矛盾は触れてはいけないテーマなのか―。
触れてはいけないテーマといえば、最近の超高層マンションブームの社会的な問題もそのひとつか?
新聞では、湾岸戦争などと盛んに傍観者的な報道は重ねられている。でも、街づくりを無視した利益優先のマンション開発問題などを鋭くえぐるような、本質的な論調はあまりみられないように思う。
なぜか?
新聞の大口広告主としてのデベロッパーの存在感がゆえか・・・・・・。
たしかに毎週金曜日のチラシの数が膨大であることは今更いうまでもないことだ。
でも、チラシで儲かるのは、チラシ制作者とチラシ折込会社である。新聞社にとってチラシから得られる利益は大きいものではない。
新聞社の重要な収入源は、購読料と新聞広告だ。新聞社の経営は、新聞広告収入に大きく依存している。
実際のところ新聞には、どの程度新築マンションの広告が掲載されているのか?
全国紙3紙(読売・朝日・毎日)の9月の掲載実績(朝刊)を調べてみた。
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大口スポンサーの存在を確かめるために、スポンサー1社だけで出している半紙サイズ以上の大口広告を対象に、その件数を数えることにした。
結果は、次のとおりである。
- 読売新聞/12件(224件)
- 朝日新聞/13件(223件)
- 毎日新聞/2件(140件)
( )内の数字は、新築マンション以外の大口広告の掲載件数を示している。新築マンション以外の主な広告は次のとおり。
- 携帯電話
- 外資系の保険
- 各種の通販
- パソコンの通販
- 旅行案内
- ハウスメーカーの広告
- 自動車の広告
広告件数の少ない毎日新聞を除くと、読売・朝日とも大口広告の5%程度(=12÷(224+12))を新築マンションの広告が占めていることがわかった。
これでは、大新聞といえども、マンション・デベロッパーの悪口は言いにくかろうなァ……。
(本日、マンション広告なし)