不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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駅前の貴重な緑を伐採して住宅用地を確保する大義はあるのか

多摩丘陵の面影を残す、東京ドーム約8個分の区画整理事業地の一画に立ち並ぶ全7棟からなる大規模マンション。

新宿駅直通21分(通勤時27分)、駅徒歩8分。総戸数697戸、14階建(全7棟)。販売戸数未定、3LDK(75.16m2)〜4LDK(119.97m2)。販売価格未定、最多価格帯4,600万円台。平成18年12月下旬〜平成19年5月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年4カ月後)。

南東向きの2棟は、眺望はいいのだが、緑地を挟んで幹線道路と鉄道が走っているので、高層階住戸ほど騒音の影響が懸念される。
また、南西向きの3棟は、目の前が戸建エリアなので眺望は確保されているが、夏は西日が厳しそうだ。
残りの2棟は、南東向きだが、目の前にマンションが立ちはだかるので眺望は劣後しているし、住戸の位置によっては、通風・日照に恵まれないだろう。

  • ○○駅から歩いてわずか3分の場所に、居住者人口約7,700人を想定する邸宅街が生まれます。その広さは東京ドーム約8個分(総敷地面積約37万m2)。

東京西部、新宿駅直通21分(通勤時27分)とはいえ、かくも広大な敷地が確保できたのは、なぜか?
WEB上の航空写真で調べれば一目瞭然。同敷地はかつて鎮守の森状態にあったようだ。2001年4月に着工した△△土地区画整理事業(総事業費275億円)によって、かなりの部分の地肌が露出している。
土地区画整理事業の名の下に、このような大胆な森林伐採が行われているのは、バブルの影響下にある1993年3月に□□市が策定した総合計画「□□新時代2010プラン」に基づいているらしい。
近年、都心でのリストラ企業の跡地を活用したマンション建設の例は多い。でも、都会の残り少ない緑を伐採し、マンション・戸建用地を開発しようという行政は珍しいのではないか。
下に掲げられた事業目標をみただけでは、よくわからない。

○○駅の北西に位置する本市の新都心の一部であり、組合施行の土地区画整理事業により基盤整備が実施され、商業業務施設及び文化施設等の集積並びに緑豊かで周辺環境と調和した住宅市街地の整備が行われる地区である。
本計画では、□□市の新都心の拠点である○○駅周辺地区に隣接し、新都心の一翼を担う地区としてふさわしい複合的な市街地環境を計画的に形成し、これを維持、保全することを目標とする。

少子高齢化でこれからマンション・戸建需要が減少しようというのに、駅前の貴重な緑を伐採して住宅用地を確保する大義はあるのか・・・・・・。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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