不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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土壌汚染処理済みマンションは、買いか?

金曜日、マンション・チラシ5枚。

大手町駅20分(準急利用・途中乗り換え)、駅徒歩4分。総戸数550戸、20階建(2棟)。販売戸数未定、2LDK(67.41m2)〜4LDK(99.71m2)。販売価格3,000万円台〜6,600万円台。平成19年1月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年6カ月後)。

  • 大公園を南に抱き、駅前ライフが大きく変わる。
  • 南に約1haの大型公園(予定)、隣は大規模複合商業施設用地。
  • 壮大な駅前開発の中心、駅徒歩4分に誕生。

独立行政法人 都市再生機構が整備をした約11.6haの一街区(約1ha)に建つ大規模マンション。敷地の西側にはヨーカドー、東側には分譲と賃貸のマンションが立ち並ぶ予定。
駅前のこれほどの誇大な敷地だから、どこかの企業跡地であることに間違いはないとみて、ネットで調べてみると、工場跡地であることがすぐにわかった。
さらに、同跡地は、土壌汚染対策済みの土地であることも判明。
敷地を所有していた企業のプレスリリース(平成14年3月27日)によれば、本マンション敷地部分および南側に隣接する「大公園」部分の汚染状況は、揮発性有機化合物(テトラクロロエチレン)が環境基準値の85倍、重金属(鉛)が環境基準値の1.5倍となっている。
本マンションの販売に際して、とうぜん汚染土壌の浄化は完了しているはずだ。
駅チカといい、敷地の南側に眺望と日照が半永久的に確保できる公園があるなど、本物件の立地条件は悪くはない(ただし、東側に大規模複合商業施設が立地予定なので将来の交通渋滞には注意を要する)。
立地条件が悪くないからといって、転売時の価格があまり下落しないかといえば、そうではない。
汚染土壌が完全に除去されていると頭では理解していても、常に合理的な判断を下さないのは人の常だ。すでに汚染土壌が完全に除去されているにもかかわらず、購入を躊躇する人が多ければ、転売時の価格は下落する。
7月末から、少年マジシャン兄弟を使って盛んにテレビCMを流しているのは、単なる販促以上のものを想像してしまうのは筆者だけだろうか。
土壌汚染というマイナス・メージを少年マジシャン兄弟というプラス・イメージで相殺しようという作戦。
はたして、兄弟は、土壌汚染のマイナス・イメージをマジックで消し去ることができるか。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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