不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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内覧会は楽しいイベントの場か?

「内覧会」とは、デベロッパーにとって、とても都合のよいネーミングだ。
すでに手付け金を支払っているマンション契約者に対して、入居までの楽しいイベントのひとつとして演出しようとしている。「内覧会」で特に大きな指摘を受けなければデベロッパーは、ひと安心だ。
でも「内覧会」というのは、ある意味でマンション契約予定者の「竣工検査」だ。マンションの竣工検査という観点に立てば、本来、契約予定者とデベロッパーとの真剣勝負の舞台であるはずだ。
この舞台で不具合を指摘できなければ、その後デベロッパーは、そうそう手直しには応じてくれないだろう(竣工1年後の点検時に、いくぶんかの手直しに応じてくれることはあり得るが)。

「内覧会」に建築のプロを同行させるべきか?
素人同然の建築知識でデベロッパーと戦うのは、弁護士をたてないで裁判を受けるようなものだ。人生で最大の買い物をするのであるから、高々数万円の同行料金をケチってはいけない。
親身になって相談にのってくれる実務経験豊富な建築士の友人がいればベストだが、そのような友人がいない人は、内覧会同行のプロに頼むしかない。
しかし、内覧会の同行プロであっても、すでにほとんど完成してしまっているマンションの不具合を指摘・改善要望するにしても限度がある。
簡易レーザーで天井高さを確認したり、騒音計で室内の騒音を調べたりしているのは、同行料金に見合った専門的なチェックを演出する顧客へのパフォーマンスといえなくもない。
天井高さが設計と数センチも違っていたり、床が傾いていたりするようであれば、チェック以前の物件なので、もう手遅れだ。
だから、「内覧会」で必死になってチェックしなくて済むよう、信頼のおけるデベロッパーを選ぶことのほうがより重要だ。
信頼のおけるデベロッパーの選び方については、「デベロッパーはシェアと実績と経営で選べ」( http://d.hatena.ne.jp/flats/20050609 )を参照のこと。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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