不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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超高層マンションが群立するエリアは、眺望が阻害されていないか

臨海副都心に近接したS地区住宅市街地総合整備事業エリアに建つ「天然温泉」付きの超高層・大規模タワーマンション。

銀座1丁目駅直通8分、駅徒歩7分。総戸数440戸、44階建。販売戸数未定、1LDK(54.12m2)〜4LDK(190.94m2)。販売価格未定、最多価格帯4,000万円台。平成19年3月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年10カ月後)。

  • 4月10日(日)の物件と同じ。

案内図の南方向が下側ではなく右側(東方向を下側)になるように描かれている。東向き住戸のリビングを(南向きと錯覚しやすい)下側に描いた間取り図はよく見かけるが、案内図そのものの方位ずらしは珍しい。
どのような意図があるのか、以下に考察してみよう。

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本物件のすぐ南側に、すでに2棟の超高層マンション(54階+45階)が竣工している。
チラシの空撮写真を見ると、たしかに本マンションの敷地のすぐ南側に超高層マンションが写っている。でも、2棟が重なるようなアングルから空撮されているので、南側の竣工済みの超高層マンションが2棟もあることには気がつきにくい。
さらにインターネットでS地区の全体計画を調べると、本物件の西側と北側の敷地も超高層マンションの建設予定地であることがわかる。
つまり、本物件は、将来、東側の運河方向を除いた西・南・北の3方向を超高層マンションに囲まれてしまうということ。
超高層マンションの最大のメリットは、高層住戸の眺望がよいことだ。
なのに、本物件(44階建て)の南側には、すでに背の高い2棟の超高層マンション(54階+45階)がそびえている。しかも、将来、東側を除いて、3方向を超高層マンションに囲まれてしまうので、超高層マンションの最大のメリットである眺望の良さに恵まれない。
そういえば、チラシでは「天然温泉」をセールスポイントにしているが、眺望のよさをアピールするキャチコピーは掲載されていない。
以上のことから、案内図の方位をずらしている理由は、唯一残された東側の眺望が、あたかも日照環境のよい南側の眺望であるかのように錯覚させる効果を期待しての、デベロッパーのもくろみと想像するのだが、いかがだろうか―。

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限られた地域に超高層マンションが群立すると、住戸の位置によっては、お向かいの超高層マンションと向かい合わせになってしまう。
超高層マンションなのに眺望に恵まれない住戸の価値は著しく損なわれて、ディスカウント住戸または売れ残り住戸を誘発しないだろうか。
超高層マンションは、一般のマンションに比べて、住民の経済格差が大きく、本質的に良好なコミュニティが形成されにくい構造にある。
売れ残った住戸が、賃貸にまわされたりすると、コミュニティの形成がますます難しくなる。
実際に住んでいるマンション所有者と、賃貸に出している人との間には、どうしても維持管理に対する意識の差が出てくる。
合意形成が難しく、管理組合が機能しなくなると ― 超高層マンションの将来は、あやうい。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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