不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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震災時には低層階の住戸が有利!

大手町駅直通10分、駅徒歩4分。総戸数357戸、20階建。販売戸数4戸、2LDK+S(75.92m2)〜4LDK(87.35m2)。販売価格3,550万円〜4,490万円。平成18年2月末日竣工(本チラシ掲載日の10カ月後)。

  • 6月24日(木)、7月22日(木)、4月15日(金)の物件と同じ。
  • 耐震等級2(取得予定)
    • 関東大震災レベルの地震の1.25倍でも倒壊・崩壊しない、強い耐震性能を実現します。

住宅性能表示基準では、「構造の安定に関すること」として、地震・暴風・積雪(多雪区域のみ)について、それぞれ「倒壊防止」と「損傷防止」の2つの観点から評価した結果が等級で表されている。
倒壊防止(建物の倒壊、崩壊のしにくさ)については、極めてまれに(=数百年に一度程度)発生する地震に対して等級3〜1の3段階評価。
また、損傷防止(建物の損傷の生じにくさ)については、まれに(=数十年に一度程度)発生する地震に対して等級3〜1の3段階評価。
等級1(1.0倍)に対して、等級2(1.25倍)、等級3(1.50倍)と数値が大きくなるほど、建物が頑丈になるということ。
震災時の重要拠点となるような学校や病院は、一般的に等級2相当以上の耐震性能をもっている。だから、本マンションの等級2レベルの耐震性能は確かに高い。
建物の耐震性能を高めるには、柱を太くしたり、壁の量を増やしたりしなければならないので、工事費は確実にアップするが、ビルドイン浄水器、食器洗い乾燥機、ハンド式シャワーヘッド付き蛇口など、キッチン設備などの小手先のグレードアップに比べると、はるかにマンションとしての資産価値は高い。
マンションの構造物としての耐震性能が高いことは安心材料のひとつではあるが、震災時に電気や給水設備などのライフラインも確保できなければ十分とはいえない。
「首都直下地震対策専門調査会(第15回)平成17年2月25日」の「被害想定結果について」によれば、東京湾北部地震(M7.3)が発生した場合、上水道は4日目までに復旧するが、電力は1週間以内で復旧、ガスは復旧に2カ月以上要することが想定されている。
ということは、たとえ上水道が4日で復旧しても、電気がこなければ、給水ポンプが動かないということだ。風呂に入れないのは我慢するとしても、トイレを我慢することはできないだろう。公園や学校の防災用簡易トイレで済ますにしても、高層階の住戸よりも低層階の住戸のほうが、アクセスはよい。
また、エレベターは、都内の住宅内だけで約12万基が停止し、閉じ込め事故の発生が約600基、「救助や復旧の遅れにより、閉じ込めが長時間に及ぶ可能性がある」とされている。
震災時のことだけを考えれば、マンションは低層階の住戸に住んだほうが安心できそうだ。
ちなみに、停電時に機能を喪失する設備を念のために確認しておくと次のとおりだ。

  • 照明(全館フロア、各住戸)
  • エレベーター
  • インターフォン(共用玄関・各住戸)
  • 共用玄関の自動ドア
  • 給水設備(トイレ、台所、浴室、洗面)
  • 機械式駐車場
  • 給湯器
  • 各種電化製品(テレビ、冷蔵庫、エアコン、パソコン、コードレス電話)
  • 感知器

だから、震災時にマイカーで田舎に疎開しようとしても、機械式駐車場のマンションでは、脱出不能ということだ。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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