不動産情報ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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短かすぎる工期は、マンションの品質低下が懸念されるので要注意

金曜日(みどりの日)、マンション・チラシ5枚。

東京駅直通29分(快速利用)、駅徒歩10分。総戸数290戸(分譲住戸256戸、賃貸住戸34戸)、14階建×2棟+10階建+8階建。販売戸数未定、3LDK(77.75m2)〜4LDK(129.77m2)。販売価格未定。平成19年3月末日竣工(本チラシ掲載日の1年11カ月後)。

シーサイドエリアで、しかも、よく整備された都市公園に隣接する大規模マンション。
宅地建物取引業法」の第33条(広告の開始時期の制限)によって、建築確認申請などの許認可を受けていない建物の広告を行ってはならない旨が規定されている。
「物件概要」の建築確認番号の日付が平成17年4月15日となっているから、本物件は、つい2週間前に建築確認申請に対する許可が下りたばかりだ。
だから、本チラシは、確認申請の許可を受けて、満を持して作られた、できたてホヤホヤの作品ということになる。
建設業者は、少しでも余裕のある工期を確保するために、建築確認申請の許可が下りると、通常、ただちに工事の準備を開始する。
5月の連休明けから準備工事が本格化するとして、本物件の竣工予定日は、平成19年3月31日となっているから、工期は約23ヶ月(=平成19年3月31日−平成17年4月15日)ということになる。
この23カ月は、適正工期なのか否か、以下に考察してみよう。
中低層マンション(高層マンションではない)の場合の各工事工程に要する期間は、荒っぽくいえば次のとおりである。

  • 準備工事:1カ月
  • 杭・基礎工事:2カ月
  • 躯体工事:1階あたり1カ月
  • 仕上げ工事:2カ月(躯体工事との並行期間を除く)
  • 屋外付帯工事(屋外の給排水管工事・植栽工事など):1カ月

これを本物件(4棟のうちの最高階高14階)に当てはめると、
計算上は、20カ月(=1+2+@1×14階+2+1)となる。
チラシ情報から推定した工期のほうが3カ月(=23ヶ月−20ヶ月)長い。
この3カ月のズレは、本物件が4つの棟から構成されており、工程調整に相応の期間を要するであろうことから納得できる。
ここで念のために、工期の短い物件の問題点を確認しておこう。
いわゆる突貫工事によってマンションの品質が確保されないのが、消費者にとって最大の懸念事項なのだが、建設業者はどうとらえているのか?
日建協(日本建設産業職員労働組合協議会)が2001年12月に実施した「民間マンション建築工事に関する実態調査」からは、短い工期設定に関して現場の悲鳴が聞こえてくる。

  • 設定工期が厳しいと思われる要因は何だと思いますか。(回答:2つ以内)
    • 施主の要望で最初から厳しいと知りながら請け負った(73%)
    • 契約工期が決まっているにもかかわらず、発注者、設計者の詳細計画や申請等の対応が遅く、実質的な設定工期が短い(35%)
    • 短工期施工を営業上のツールとして会社が受注した(27%)

つまり、受注競争が激しい民間マンション市場では、適正工期でなくても背に腹は替えられないゼネコンは受注してしまうことがあり得るということだ。

  • 十分な工期が確保できないことによる施工管理上の問題点があれば教えて下さい。(回答:3つ以内)
    • 生コンの養生や下地の乾燥期間が取れない、施工が雑になる等、十分な品質が得られない(73%)
    • 若手社員を教育、指導する余裕がなく、技術力の低下が懸念される(58%)
    • 施工コストが上がる(55%)

工期の短い物件を無理して受注して、品質の低下を懸念する声が現場から聞こえてきている。
短かすぎる工期は、マンションの品質低下が懸念されるので要注意だ。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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