不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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居住者の利便性を無視した条例ギリギリの物件

大手町駅直通13分、駅徒歩8分。総戸数46戸、13階建。販売戸数6戸、2LDK(66.27m2)〜3LDK(77.02m2)。販売価格3,520万円〜4,520万円。平成17年4月下旬竣工(本チラシ掲載日と同じ月)。

竣工月を迎えて13%(=6戸÷45戸(地権者の1住戸を除く))が売れ残っている、一部上場デベロッパーによる中規模マンション。
本物件が、なぜ売れ残っているのか、以下に要因を考察してみる。

幹線道路に北面している

本物件の北側は幹線道路に面しているし、南側も300m先を首都高が走っている。
最悪の騒音環境に囲まれた敷地に立つマンションであることが、売れ残りの最大要因と考えられる。
間取り図のサッシを注意深く見るとわかるのだが、しっかりと二重の防音サッシになっている。

エレベータが1台しかない

総戸数46戸とはいえ、13階建てだ。エレベータが1台しかないと出勤のピーク時は混みそうだし、万一故障した場合には、上層階の住民は階段昇降の憂き目に会う。

駐車台数が少ない

総戸数は46戸なのに、駐車台数はたったの11台しかない。しかも、平置の身障者用1台分を除くと、残り10台は、維持管理費のかかる機械式(昇降横行式3段)だ。
規制の緩い商業地域の敷地の78%(=建築面積397.03m2÷敷地面積509.92m2)まで、マンションを建てているから、駐車場は屋外ではなく、マンションの地階・1階部分に設置されている。
おまけに駐車場の出入り口には電動シャッターが設けられているから、駐車場の直上階の住人は、振動・騒音に悩まされる可能性がある。
それにしても、なぜ駐車台数が11台と少ないのか?
「K区マンション等建設指導要綱」第18条(自動車駐車場の設置)によれば、住宅戸数が40戸以上100戸未満の場合、設置義務のある駐車場台数は、「住宅戸数×20%以上」となっている。
つまり本物件の場合、総戸数46戸×20%=9.2台だから、同要綱で義務付けられた10台と都のハートビル条例で義務付けられた身障者用1台のギリギリの駐車台数を設置していることになる。

駐輪台数も少ない

総戸数46戸に対して、63台分しかない。1住戸あたり、たったの1.4台だ。
さきほどの要綱の第19条(自転車置場の設置)によれば、K区のマンションでは「1戸当たり2台以上」の設置が義務付けられている。
ただし、同条2項により、本物件のように「商業地域」に建つマンションで、「台数の確保が困難と認められるときは、設置台数を緩和できる」ことになっている。
この緩和規定によって、本物件の駐輪台数は1戸あたり1.4台でも許されているというわけだ。
なんとも、デベロッパーに都合のよい緩和規定ではないか。転入してきて、置場を失った自転車を一体どこに保管すればよいのだろう。


以上のように、道路騒音環境の悪さに加え、エレベータ台数の少なさや駐車台数・駐輪台数が居住者無視の条例ギリギリの台数しか確保されていないことが、本物件の売れ残りの主な要因と考えられる。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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