天然温泉付きの44階建ての超高層マンション。
銀座1丁目駅直通8分、駅徒歩7分。総戸数440戸、44階建。販売戸数未定、1LDK(54.12m2)〜4LDK(190.94m2)。販売価格未定、最多価格帯4,000万円台。平成19年3月下旬竣工(本チラシ掲載日の1年11カ月後)。
温泉はたまに入るから有り難味がある。毎日となると感激しなくなるのは人の常だ。50インチの大型プラズマTVだって、1週間もすれば見慣れてしまうし、高級寿司だって毎晩では飽きてしまうだろう。
では、カラダにいいのかといえば、地下1,000mの深さかさから無理やりくみ上げた「天然温泉」だから、泉質はどこにでもある「ナトリウム−塩化物温泉」だ。効能としては、一応、冷え性、疲労回復、健康増進が掲げられているのだが−。
くみ上げた「天然温泉」に水道水を混ぜて利用するのだから、効能もさぞ薄まっていることだろう。
しかも、よく考えてみれば、「天然温泉」があふれる湯船にゆっくりつかるのは、肌寒くなる秋から冬にかけてではないだろうか。少なくとも夏はシャワーで済ます人も多いはずだ。
なのに、「天然温泉」の水質管理やポンプの動力費など、毎月の維持管理費用を負担しなければならない。
しかも44階建ての超高層マンションだから、1階から44階の高さまで「天然温泉」を供給する共用設備としての母管が走ることになる。共用設備とはいえ、高層階の住人のための配管の維持管理費用を専有面積の比率で負担するとしたら、低層階の住人は、とても理不尽に思うに違いない。
また、水道配管とは別に、「天然温泉」専用の配管が余分に必要となるので、そのぶん確実に工事費を上昇させている。
「天然温泉」は、デベロッパーの超高層マンション差別化戦略のひとつだ。
あなたが「天然温泉」を本当に望んでいるのかよく熟考することが必要だ。
(本日、マンション広告1枚)