不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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マンション・チラシには、配置図の掲載を義務付けるべし!

日曜日、マンション・チラシ2枚。

  • 10月16日(土)、11月3日(水)、2月12日(土)、2月26日(土)の物件と同じ。

新宿駅直通18分、駅徒歩9分。総戸数450戸、17階+15階+9階建。販売戸数15戸、3LDK(75.43m2)〜4LDK(104.79m2)。販売価格3,340万円〜4,980万円。平成17年2月15日竣工(本チラシ掲載日の1カ月半前)。

竣工して1月半が経ち、B4判サイズに縮小されたマンションのチラシ。オモテ面の下半分には、サイズこそ小さくなったが相変わらず竣工写真が掲載されている。

  • 竣工写真(平成17年1・2月撮影)に画像処理を施したもので実際とは多少異なります。

南西方向から20mmの広角レンズで撮影されたと思われる、かなり遠近が強調された2棟のマンションの外観図が掲載されている。
どのあたりが画像処理されているのか、以前から気になっていたので、現地調査を実施した。

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マンション前の電柱・電線でも消去されているのかと思って、現地に乗り込んでみたら、マンションの前には、電柱や電線は最初からなかった。
だが、次のようなもっと手の込んだ画像処理が−。

  • マンション周辺に植えられた高木・中木・低木の葉っぱが実際よりも、緑豊かに描かれている
  • 実際にはあるはずの茶色いポール付きの外灯が消されている
  • 歩道と道路の境にある側溝を覆うコンクリート製のフタが、植栽のようにカモフラージュされている
  • 白地+部分的にくすんだ青色からなる外壁のうち、くすんでいるはずの青色が、実際よりも濃い青色に描かれている
  • 本物件の背後(北側)にあるはすのマンションが消されている
  • 本物件の手前(南側)にあるはずの○○化学工業の事務所建物がトリミングによって除かれている

(社)首都圏不動産公正取引協議会のホームページに掲載されたQA集によれば、「この写真はCGによる合成写真ですので、実際のものとは異なります」と注記したとしても、「合成写真から広告主の都合の悪い条件を消去することはウソの写真を使うことに他ならず、著しい不当な表示に該当することになります」との見解が示されている。
この業界によくみられる、以上のようなCGカモフラージュ写真など、少し勉強した消費者であれば、デベロッパーの魂胆など見抜けるかもしれない。でも、外観写真に写されていない部分のカラクリに気付く人は、かなり少ないだろう。
本物件は、3棟が逆コの字型に配棟されているのだが、チラシの外観写真には南西方向から2棟しか写っていない。
外観写真に写っていない部分については、現地調査でマンションの質に係る次のことが判明した。

  • 北側の棟の北面にある2つの屋外階段は、コンクリート製ではなく、安価で騒音発生源となりやすい鋼製階段だ。
  • 逆コの字の3棟に囲まれた中庭スペースは、銀色にメッキされた鋼製の味気ない自走式と機械式の駐車場で占められている。鋼製の自走式(3階建)駐車場は騒音発生源になりやすい。また、機械式の駐車場(しかも3段式だ)は、維持管理費が高く、更新時にも多大の費用を要する。
  • エレベター(全5台)の配置を確認すると、南棟(17階建て)と北棟(15階建て)にはそれぞれ2台のエレベターが設置されているが、なんと東棟(9階建て)には、エレベターが設置されていない(廊下でつながっている南棟のエレベターを使うことになっている)。エレベーターが5台では、通勤時のピークの対応が難しいだろう。

間取りに関心を寄せる人は多いが、屋外階段や駐車場のグレード、エレベターの配置・台数を気にかける人は少ない。そもそも、マンションの全体配置図を掲載していチラシは稀だから、消費者はそこまで気が回らない。
竣工間近かになって、仮設のシートが外れ、現物を目の当たりにして、こんなはずではなかったと思うことになる。
デベロッパーが供給するマンションのグレードと消費者が思い描くグレードにミスマッチがあることは、お互いに不幸なことだ。
マンション・チラシには、配置図の掲載を義務付けるべし!

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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