不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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延床面積1,999m2の意味は?

土曜日、マンション・チラシ1枚。

  • 10月22日(土)の物件と同じ。

大手町駅直通18分、駅徒歩3分。総戸数22戸、11階建。販売戸数5戸、2LDK+S(68.80m2)〜3LDK(75.47m2)。販売価格2,998万円〜3,799万円。平成17年10月下旬竣工(本チラシ掲載日の7カ月後)。

環状7号線沿いに建つ、1フロア2戸からなる細長いペンシル型マンション。住戸は全て日照条件の不利な西向き。
「物件概要」の小さな文字に目をこらすと、本物件の用途地域は「商業地域」であることがわかる。
用途地域」とは、良好な市街地環境の形成と機能的な都市活動の確保を目的に定められたもの。
「商業地域」は、全12種類ある用途地域のなかでも、もっとも建物制限が緩く、デパート、銀行、飲食店、映画館、事務所など、ほとんどの用途の建物の建設が可能な地域だ。
日影規制もないから、利益優先の商業施設にとっては好都合だが、環境優先のマンションの敷地にはもっとも向いていない。
念のために区のホームページで本物件の敷地の用途地域を調べてみると、確かに商業地域であることがわかる。
さらに、環状7号線から30m以内の敷地に建つ建物には、防音上の措置など、いくつかの制限がかけられていることもわかった。
環状7号線に面したマンションの窓などの遮音性能を確保することだけでなく、マンションの背後の地域への交通騒音の防止が求められているのだ。
チラシにはサッシの防音性能の説明がないので、ホームページで確認すると、T-3等級の性能であることがわかった。
T-3等級は、防音サッシではあるが、幹線道路沿いのマンションの室内の静穏な状態を確保するには、少々心もとなくないだろうか?ここは、より遮音性の高い二重サッシにしてほしいところだ。
さらに「物件概要」を読み込んでいくと、建築延床面積が1,999.09m2となっていることに気がついた。
2,000m2をギリギリ下回っているところがとても不自然ではないか!
スーパーの値札を、2,000円ではなく、1,980円とした売り手の作戦ならば、多くの人は理解できるだろう。
でも、マンションの延床面積が2,000m2という数値を界に何が違ってくるのか、理解できる人は少ないと思う。
その答えは、ハートビル法にある。
平成14年のハートビル法(=高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律)の改正を踏まえ、東京都では平成16年7月1日に改正ハートビル条例が施行されている。その結果、延床面積2,000m2以上のマンションもハートビル条例が適用されることになった。
同条例が適用されると、マンションは次のような基準を満足することが求められる。

  • 出入口の幅や段差の解消
  • 廊下の幅や段差の解消
  • 階段の手すりや点状ブロック等の敷設
  • スロープの勾配や滑りにくい仕上げ
  • 車いす使用者の利用できる便所や昇降機の構造
  • 敷地内通路の幅や段差の解消

ところが、マンションの延床面積を2,000m2未満に押さえ込むことによって、ハートビル条例の適用を免れることができる。
そのぶん分譲価格を抑えることができるので、デベロッパーとしては、消費者に安価な住戸を提供することが可能だ。
でも、弱者を配慮していないマンションを終の棲家とするには無理がありそうだ。

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2017年6月1日、このブログ開設から13周年を迎えました (^_^)/
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