土曜日、マンション・チラシ1枚。
大手町駅直通14分、駅徒歩3分。総戸数99戸、15階建、2LDK+S(85.05m2〜86.18m2)。平成16年11月下旬竣工済み(1ケ月前)。
- 環線道路より1本入った静かな環境
環状7号線から1本入った場所とはいえ、「環線道路」という表現はまずい。「幹線道路」の誤字だ。
本物件のデベロッパーは、土地の確保から建設までを一貫して自社で行う「売主=施工会社」である。通常の「売主+施工会社」と異なり、中間マージンの発生が少ないので「低価格・高品質のマンション提供」をうたい文句にしている。
確かに、本物件のデベロッパーは、「売主=施工会社」であるから、通常のデベロッパーに比べて、一般管理費の率が小さいことはあり得るだろう。
でも、通常であれば、デベロッパーが施工会社を厳しく監理するという、売主と施工会社間に緊張感のある品質監理体制が取れないのが弱点だ。
チラシの誤字に気がつかないくらいだから、マンションの施工品質の過ちにも気がつかないといったら言い過ぎだろうか。
「物件概要」をよく読むと、所在地に「仮換地」とカッコ書きされているのに気が付いた。
「仮換地」とは、区画整理事業の施行に必要な場合に、従前の宅地に代えて仮に使用し、収益することのできることを指定された土地のことだ。
本物件は、区画整理事業によって、駅徒歩3分というとても便利な場所に建つことができたのだ。
でも、「物件概要」には、同場所の用途が「商業地域」であることも示している。
「商業地域」は、主として商業その他の業務の利便を増進するための地域だから、必ずしもチラシで謳っているような「静かな環境」とはいえないのではないか。
専有面積が85m2もあるのに、間取りが3LDKではなく、2LDK+Sとなっていることから、隣接建物が迫っていて日照環境もよくなさそうだ。
ちなみに、2LDK+Sの「S」とは、サービスルームの略。窓はあるが、有効採光が確保できない「納戸」のことだ。