不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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CG処理写真に異議あり!

竣工月を迎えて、キャンセル住戸3戸の販売チラシ。

大手町駅直通14分、駅徒歩20分。総戸数44戸、9階建、2LDK(55.05m2)〜4LDK(100.88m2)。平成16年10月竣工(竣工直後)。

B4版サイズのチラシ表面の半分を割いて、今月撮影したばかりのマンションの全景写真が掲載されている。
ピカピカのマンション写真には、どことなく不自然さを感じる。
よく見ると写真の右下隅に、目立ちにくい小さな文字で「写真は一部CG処理を施しています」との断わり書きがある。
写真のフロアー(窓)の数を数えると、9階のマンションなのに、8階分しか写っていない。本来1階フロアーが写るべきところが、文章で覆い隠されているのだ。

気になったので、現地調査を実施した。
3つの道路に囲まれたマンションは、確かに第1種住居地域の閑静な場所に建っていた。
でも、マンション正面玄関を取り囲むように2本の電柱が立ち、電線が2階住戸の目の前を走っている。この電柱と電線は、チラシ写真には全く写っていない。CG処理されていたのだ。
また、チラシの写真では写されていなかった1階には、なんと正面玄関の脇に2段式の駐輪場が設けられている。正面玄関の脇に駐輪場があるというのは、日常的には便利だが、チラシの写真に掲載するには見た目がよくない。
チラシの印象は、マンションの売れ行きに影響するということで、マンション業者は、意図的に1階が写っていない写真を掲載したということなのだろう。

「不動産の表示に関する公正競争規約(平成15年1月14日 公正取引委員会告示第2号)」の第18条(不当表示の禁止)では、「不動産の規模、形状、構造等について、実際のものよりも優良であると誤認されるおそれのあるモデル・ルーム又は写真、見取図、完成図若しくは完成予想図による表示」を、不当表示として禁じている(41項 写真・絵図)。
本物件のマンション・チラシのCG処理写真・1階非表示写真は、この不当表示に抵触していないのだろうか?

(本日、マンション広告16枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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