不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

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駐車場月額使用料「0円〜」は、いくらなの?

東京駅直通13分(快速利用)、駅徒歩9分。総戸数72戸、10階建、3LDK(71.43〜83.14m2)。平成17年9月下旬竣工予定(1年後)。

  • バイク対応、サイクルポート1区画(1家族に)3台。月額使用料0円。

駐輪場スペースを1住戸当たり3台確保しているのは、都心型マンションに頑張っているほうだ。しかも、月額の駐輪代が0円(=無料)というのはうれしい。

  • RV車対応、敷地内駐車場100%以上。月額使用料0円〜

駐車スペースについても100%確保されている。月額使用料は無料?と思ってよく見ると、「0円」の後ろに、小さいフォントで「〜」と書かれている。
「0円〜」というのは、数学的にいえば0円を含まない、それより高い金額ということになる。つまり、駐車場使用料は無料ではないことを意味している。でも、「0円〜」のチラシを見た人の受け取り方は、どちらかといえば無料に近い印象を持つのではないだろうか?
「0円〜」というのは、とても誤解を生みやすい不適切な表現だ。それでは一体いくらなのか?

実際の駐車場使用料がゼロということにはならないだろうが、安価に設定されると、「管理費」が高くなる可能性がある。あるいは、本物件は機械式駐車場なので、将来の「修繕積立金」を高めに設定しておく必要がある。
そこで、「物件概要」の小さな文字に目を凝らしてみると、「管理費」や「修繕積立金」の記載がない。なぜか?
「不動産の表示に関する公正競争規約施行規則」第2条によれば、「予告広告」の場合には、次の項目はチラシに表示しなくても許されることになっている。

  1. 販売戸数
  2. 駐車場、倉庫等の設備の利用条件
  3. 価格
  4. 敷地が定期借地権であるときは、保証金、敷金等の額
  5. 価格のほかに施設等に関する費用を要するときは、その旨及びその額
  6. 国土法による許可又は事前届出を要するときはその旨
  7. 管理費及び修繕積立金等
  8. 宅建業法に基づく手付金等の保全措置を講ずるときはその機関の名称又は商号。講じないときはその旨及びその理由
  9. 取引条件の有効期限

「本広告」に先立ち、その取引開始時期を告知する「予告広告」であれば、「管理費及び修繕積立金等」の表示が免除されているのだ。
結局、今回の「予告広告」では、駐車場使用料は曖昧だし、居住者が負担する管理費・修繕積立金も不明のままだ。
正確な情報の開示を先送りしたままで、駐車場の「月額使用料0円〜」という曖昧な表示で、消費者の目を引こうとするチラシはいただけない。

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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