不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、マンション選びのためのお役立ち情報を提供しています


大浴場は、遠からず不良資産化する?

東京駅直通16分、駅バス8分。総戸数648戸、全7棟、12〜15階建、専有面積96.53〜135.08m2の超大規模マンション。平成17年2月末竣工(7ヶ月後)。

海に近いマンションは塩害を覚悟すべし

「海に近いマンションに住む」として、「潮風に頬を撫でられながら、美しく広がるオーシャンビューを抱く日々」とある。
確かに南側の道路を挟んで、すぐ海岸だ。潮風に頬を撫でられているうちはいいかもしれないが、「塩害」を見過ごしていはいけない。
塩害に耐えるために、鉄筋コンクリートに厚化粧すればある程度は対処できるかもしれないが、そのぶん割高になってしまう。もし、施工時の品質管理がシッカリしていないと、鉄筋コンクリートの寿命は短くなってしまう恐れがある。
エアコンの室外機も、耐塩害仕様でなければ金属部分の腐食が激しく、寿命は短くなる。
また、日常的には、バルコニーの洗濯物は乾き難いだろうし、窓から入る潮風で身体がベタつかないか気になるところだ。

「大浴場スパ」は、遠からず不良資産化する

さらに、この超大規模マンションには、共用施設として「海を望む露天風呂付大浴場スパ」がある。
死亡事故につながるレジオネラ菌が発生しないように、シッカリ水質管理を行おうとすると、それなりに維持管理費がかかる。
決して安くない水道光熱費を、将来にわたって利用者負担で賄えるかどうかも疑問だ。最初のうちは物珍しさで大勢が利用するかもしれないが、いつまで続くか。
若い世代は、必ずしも大浴場スパ(=共同浴場)を利用することを好んでいないように思う。
利用者数が減少に転じた暁には、「海を望む露天風呂付大浴場スパ」の維持管理費が利用者負担ではなく、マンション管理費に組み入れられることになる、あるいは最初からそのような会計区分になっているのかもしれない。いずれにしても、遠からず「海を望む露天風呂付大浴場スパ」は不良資産化するだろう。
マンション会社の設計コンセプトに疑問を感じざるを得ない。


(本日、マンション広告12枚)

2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.