民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、5月1日現在のAirbnb登録状況を可視化してみた。
【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数 4.8万件
全国でAirbnbに登録されている物件数は48,261件(5月1日現在)。
前月比12.5%の増加。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
- 【メモ】先月(4月1日)の登録件数が落ち込んだのは、Airbnbシステムに一時的な変化(不具合?)があったためかもしれない。昨年7月にも落ち込んだ事象が観測されている。Airbnbサイトのデータをクローリング集計しているAirbDatabankサイトだけでなく、AirLABOサイトでも同様の落ち込み事象が確認されている。
1都2府の全国シェア7割を切る
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1万6,800件、2位大阪府(大阪市)約11,900件、3位京都府(京都市)約4,800件。先月と順位変わらず。
1都2府とも10月以降登録件数の伸びが鈍化(次図)
1都2府のシェアは、16年4月の75.5%をピークに減少。5月のシェアは遂に7割を切った(69.3%)。
沖縄県のシェア増加中(4.5%)
1都2府のシェアが低下する代わりに、沖縄県のシェアが増加している。あと北海道と福岡県も(次図)。
【東京23区】新宿区独走状態(3700件)
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区で3,697件。2位は渋谷区2,173件。この2つの区が第1グループを形成している。
第2グループは3位台東区、4位港区、5位豊島区。
新宿区の登録件数は、独走状態。2位の渋谷区は鈍化(次図)。
台東区(1,357件)は、港区(1,327件)を僅差で逆転した。
【大阪市】西成区増加中(1千件)
大阪市内のAirbnb登録件数は、相変わらず中央区(4,204件)と浪速区(2,642件)がツートップ(次図)。
ツートップ(中央区、浪速区)に増加の勢いは見られない。
今年に入って西成区が増加傾向にある(次図)。
全国で最もAirbnbの登録数が多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはない(次図)。
【京都市】増加中(4800件)
京都市内のAirbnb登録件数は、下京区(1,127件)が圧倒的に多い(次図)。
京都市内のAirbnb登録件数は、先月(4月)が異常値(前述「メモ」参照)だったとすれば、昨年8月以降漸増傾向が続いているといえる(次図)。
16年7月13日に開設された「民泊110番」(6割が「通報」!京都市「民泊通報・相談窓口」260件(7月分))の抑止効果も一時的なのか。特に、下京区の増加が目立つ(次図)。
京都市は17年度から無許可での違法な「民泊」への指導の迅速化に乗り出すとしている(違法民泊への指導迅速化!京都市17年度から)。
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